日本のフラワーデザインと言えばいけばなと言えるでしょう。花嫁修行や古くからある伝統芸能のような感じがし、少し古臭いように感じるかもしれませんが四季のある日本のライフスタイルにあった飾り方はいけばなが一番あっているのではないかと思います。若い世代の華道家などによって、現代のインテリアやライフスタイルにあうように変化してきています。
いけばなの歴史
簡単にいけばなの成り立ちを紹介していきたいと思います。いけばなの始まりは奈良時代の仏教伝来の際に仏像にお花を供える供花(くげ)が有力とされています。枕草子などの文献史料によると平安時代には天皇や公家による花合わせというお花を鑑賞する行事が行われていたようです。
室町時代の中期から末期にかけてはお花の専門家が次第に現れ、お花のいけ方を記載された伝書が書かれるようになっていきました。室町時代末期には京都の頂法寺六角堂の池坊専応の専応口伝が書かれ、池坊専応や専栄などによっていけばなが確立されたと言われております。
また、池坊専応によって定まれた立花(たてばな)はのちに立花(りっか)として発展して、規則がない自由にいける抛入花(なげいればな)は、千利休ら茶人によって茶花などになっていきました。
上流階級や武士などのものだったいけばなは、江戸時代中期から後期には庶民のたしなみとして広く広がっていき愛されてきました。
いけばなの流派って?
いけばなを習いたいと思ってもたくさんの流派があって、違いもよくわからないと思います。そもそも流派って?となってしまうのではないかと思います。そんな流派ですが日本には300以上あると言われています。流派とは家元を中心とした組織でお花のいけ方や考えの違いなどによって別れています。
いけばな三大流派
池坊(いけのぼう)
四季折々に咲く花と触れ合い、現在まで続く伝統文化【いけばな】
日本で最も古くからあり、いけばなが成立した室町時代に池坊専慶が花をいけ、池坊専応がいけばなの理念を確立したように、池坊はいけばなの根源です。
立花(りっか)、生花(しょうか)、自由花(じゆうか)と3つのスタイルがあります。立花は室町時代から続く最も古い様式、生花は江戸時代に成立したシンプルな様式、自由花は戦後に定着した型のない様式です。
いけばなの根源 華道家元池坊の公式サイト。池坊の全国のいけばな教室、各地で行われる花展やイベントの情報、いけばなに関する…
小原流(おはらりゅう)
その時代の生活様式の変化にともなって盛花を基本に、現代空間にふさわしい【いけばな】
小原流は19世紀末、小原雲心(おはらうんしん)が盛花(もりばな)という新形式のいけばなを創始して、近代いけばなの道を開いたことに始まります。
盛花(もりばな)、瓶花(へいか)、花意匠(はないしょう)、花奏(はなかえで)、その他の花と5つのスタイルに別れています。
草月流 (そうげつりゅう)
創造と喜びのために
形式的ないけばなに疑問をもった初代家元・勅使河原蒼風が個性を尊重した自由な表現を求めたことから草月のいけばなは始まりました。
草月のいけばなは型にとらわれることなく、常に新しく、自由にその人の個性を映し出します。いけ手の自由な思いを花に託して自分らしく、のびやかに花をいけていきます。
さいごに
日本では古くからお花をいけて鑑賞するいけばなが存在していました。現代においても日本のフラワーデザインとして海外からも注目されています。少ないお花でも綺麗にいけれたり、飾りたい場所にあったいけ方を知れるのもいけばなのいいところです。
同じように見えてしまういけばなでも流派によって考え方や見せ方が違うのがわかっていただけたと思います。これら以外にもたくさんの流派がありますので、自分自身にあった流派でいけばなを学んでみるといいと思います。