前回のフラワーアレンジメントメソッド【Level.9】では、形の作り方はアウトラインの見極め方がポイントということでフラワーアレンジメントの形はアウトラインの形で決まるということと、アウトラインの見方をご紹介いたしました。
今回はプロポーションと花を配置していく順番で、フラワーアレンジメントを作る上でまずは「高さ」「横幅」「奥行き」の基本の3点をまずは配置していくことでフラワーアレンジメントが作りやすくなります。
しかし、この3点はあとから直すのが難しいので、完成予想を立てながら決めないといけないです。
そこで重要なのがフラワーベース(花器)に対して、どのぐらいの大きさでフラワーアレンジメントを作るかを決めるプロポーションが重要になります。
- 基本となる3点
- 大きさを決めるプロポーション
この2つのポイントを説明していきたいと思います。
プロポーションとは?
フラワーアレンジメントのプロポーションと言われてもピンとこないかもしれませんが、まずはプロポーションとは
プロポーション【proportion】
1 調和。均衡。つりあい。
2 割合。比。比率。
これだけでも、フラワーアレンジメントではプロポーションが重要な感じがすると思います。
プロポーションを考える上で調和の取れた比率で作ると綺麗なフラワーアレンジメントが作ることができます。
そこで比率といっても、定規で一つ一つ測って作ってると大変ですが、最初のうちは慣れるといことで基本となる3点を測りながら作っていくのがいいと思います。
また、「黄金比」や「白銀比」といった数学的な比率で見た目が美しいと感じられる構図というのもあるので参考にしてみてください。
黄金比
黄金比という言葉を聞いらことがある人も多いかと思います。
まずは黄金比に一般的な意味は
黄金比とは
線分を一点で分けるとき、長い部分と短い部分との比が、全体と長い部分との比に等しいような比率。1対1.618をいう。古代ギリシャでの発見以来、人間にとって最も安定し、美しい比率とされ、美術的要素の一つとされる。外中比。中外比。
となります。黄金比に関しては色々と考え方はさまざまですが、フラワーアレンジメントではフラワーベース(花器)に対して基本の3点の配置場所を決めていく時に使ったりできます。
白銀比
黄金比とは違い白銀比というのはあまり聞き馴染みがない言葉かもしれません。
白銀比の一般的な意味は
白銀比とは
・ 1 : 1 + √2 の比。貴金属比のひとつ(第2貴金属比)。
・ 1 : √2 の比。その1 : √2≡√2 : √2 という性質から、紙の寸法などに用いられている。
となります。日本では白銀比を「2. 1:√2の比。」として、別名「大和比」とも言われ、日本に馴染み深い比率で美しいと思うことが多い比率になります。
縦と横の比率が1:1.414の白銀比でフラワーアレンジメントでは黄金比と同じく、基本の3点の配置場所を決めていく時に使ったりできます。
まずは高さから
まずはフラワーベース(花器)に対して、どのぐらいの高さに切り花を配置していくか!ということになります。
実際は、この高さじゃなきゃいけない、この比率じゃなければいけないなんてことはなく、自由なんですが、フラワーアレンジメントはフラワーベースとの調和がとれているのが綺麗に見えますので、やりすぎには注意が必要です。
高さのプロポーションに関しては、フラワーベースを比率を1と考えて「過小プロポーション」「ノーマルプロポーション」「過大プロポーション」の3つに分けて考えていきます。
過小プロポーション
上の図を見ていただいた方がわかりやすいと思いますが、過小プロポーションはフラワーベースを1として、花の高さが1の1:1以下のプロポーションのことをいいます。
小さなフラワーアレンジメントや横幅があるフラワーアレンジメントに使うことが多い、高さがあまりないデザインになります。
ノーマルプロポーション
次に一番使われることが多いのがノーマルプロポーションでフラワーベースと切り花の高さが1:2〜1:5の間の比率になるます。
一番、オールマイティでオーソドックスなプロポーションになります。
過大プロポーション
過大プロポーションとはフラワーベースと切り花の高さが1:6以上になるプロポーションで高さがあるフラワーアレンジメントになります。
ラインフラワーなどといった切り花が使いやすいプロポーションになります。
横幅を決め上での注意点
高さが決まったら、次は横幅になります。
横幅で決める上では注意することがあり、高さに対して横幅が大きすぎるとフラワーベースとの調和が崩れてしまいます。また逆もバランスが悪くなるので、横幅はやりすぎ注意というのがポイントになります。
正三角形プロポーション
今回はわかりやすく、左右対称で高さと横幅の切り花の長さを一緒にして、三角形の形をしたトライアンギュラーで説明してきたいと思います。
基本的には他の形も考え方は一緒です。
ノーマルプロポーション
一番わかりやすく、プロポーションが取れやすいのがノーマルプロポーションで、上の図はフラワーベースと切り花の高さと横幅が1:2となる形です。
わりかし綺麗なフラワーアレンジメントの形を作ることができます。
過小プロポーション
過小プロポーションでの上の図はフラワーベースと切り花の高さと横幅が1:1となる形です。
小さいフラワーアレンジメントになり、三角形の形をしたトライアンギュラーだと使う花材によっては作ることができない場合もあります。
どちらかというと、小さめのオールラウンドのフラワーアレンジメントを作るプロポーションになります。
過大プロポーション
一番、フラワーアレンジメントの調和が崩れてしまうのが過大プロポーションになります。
上の図はフラワーベースと切り花の高さと横幅が1:6となる形で、横幅が大きすぎてフラワーベースとの調和もアンバランスな形になっていることがわかると思います。
横幅は面積を意識しよう!!
横幅の取り方で、フラワーアレンジメントのプロポーションは大きく崩れてしまうことがあるということをご紹介しましたが、崩れないためにはフラワーアレンジメントのアウトラインの面積を意識することで解決します。
また、デザインによっては片方の横幅を長くして、もう片方を狭くといった変則的なデザインにしてバランスを取る方法もあり、その場合にもアウトラインの面積を意識してみると作りやすくなります。
高さが低い場合
上の図は高さが1で花の横幅が2のトライアンギュラーのフラワーアレンジメントで、いわゆる横長の形になっています。
フラワーベースに対して、高さが低い場合は横幅を広くしても、まとまりやすいです。また横長のフラワーベースだと少し比率が変わってきてます。
しかし、やりすぎてしまうとバランスが悪くなりますので注意が必要です。
高さが高い場合
上の図はフラワーベースが1で花の高さが6あるフラワーアレンジメントで高さがあるデザインになります。
高さが高いフラワーアレンジメントで、さらに横幅を広くするとバランスが崩れてしまいますし、極端に狭めてもバランスが悪くなります。
フラワーベースに対して、高さが高い場合はある程度の横幅を狭くすることでまとまりやすくなります。
最初に配置するのは3点
フラワーアレンジメントでのプロポーションの取り方は、今まで説明した感じになります。
ここでは、もうなんとなくわかると思いますが、まず最初に基本の3点から切り花を配置していくことでフラワーアレンジメントが作りやすくなります。
簡単にその順番をご紹介します。
⬇︎
横幅
⬇︎
奥行き
となるのですが、けしてこの順番じゃなければいけないというわけではないです。
しかし、フラワーアレンジメント初心者の人は感覚を掴むまでは、この順番の方が作りやすいと思います。
まずは高さ
まずは高さになります。
フラワーベースに対して、どのぐらいの高さにするかで、この後の横幅がある程度決まってきます。
わりかし、作りやすくオールマイティなのがノーマルプロポーションに比率になってくるので、最初のうちはこの範囲で高さを決めた方が作りやすくなります。
次に横幅
次に横幅で、先ほどご紹介したように横幅は過度に広めたり狭めたりすると、フラワーアレンジメントがアンバランスな形になってしまいます。
横幅はやりすぎ注意です。
アウトラインの面積を意識してるとまとまりやすくなります。
最後に奥行き
そして、最後に奥行きになります。
今回はあまり奥行きに関しては触れていませんが、奥行きはフラワーアレンジメントの立体感を出すのに重要なポイントになります。
ここの配置があまりにも狭いと、立体感のないフラワーアレンジメントになります。いわゆる平面的に見えてしまうのはこの奥行きが狭いからで、わりかしこの失敗をする人は多いの注意してください。
さいごに
今回のフラワーアレンジメントメソッド【Level.10】プロポーションと花を配置していく順番は今までの理論的な部分から実際に切り花を配置してみる部分になりました。
少し聞きなれない言葉も多いかと思いますが、フラワーアレンジメントはフラワーベース(花器)に対してのバランスが重要になります。
作っていいると、ついつい切り花に目がいってしまいフラワーベースとのバランスが崩れてしまうなんてこともよくあるので気をつけてくださいね。
そして今回のポイントになるのは言葉は
横幅はやりすぎ注意!!
フラワーベースに対してのバランス
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