フラワーデザインの世界では分解と再構築という言葉を聞いてことある人もいると思います。
少し難しいそうに思えるかもしれませんが、しっかり知っておくとフラワーデザインの上達が早くなり、どんなフラワーデザイン でも、その人自身のオリジナリティがある作品が作れるようになります。
分解と再構築はフラワーアレンジメントやブーケの作り方で使われることが多いですが、実は違った意味もあります。
それは、自分自身のスタイルや作品に物語などの意味を持たせることができます。フラワーデザインを綺麗に作ることは知識をある程度のテクニックがあれば簡単にできますが、感動を呼ぶ作品を作るには、この分解と再構築の考え方を知ることでできるようになります。
本来の分解と再構築の考え方
まずは本来の意味の分解と再構築を考えてみたいと思います。
フラワーデザインやいけばななどでよく言われている分解と再構築はこの意味で使われることが多いです。
どちらかというとテクニックよりの意味合いが強いですが、もうすでにフラワーデザインをしている人は知らないくても、きっとやっていることだと思うのでそんなに難しくはないと思います。
フラワーデザインをこれからやり始める人や始めたばっかの人はこれから使えるテクニックになると思うので参考にしてみてください。
そもそも分解と再構築って?
花や茎、葉などを分解して本来の使い方と違う使い方をして、フラワーデザインに取り入れることで、新しい表現方法をしてみるといったことが、大まかの分解と再構築の意味になります。
まずは分解と再構築の言葉の意味をご紹介したいと思います。
それぐらいわかるよ!!って思われるかもしれませんが・・・
分解とは?
分解の意味は
分解
一つに結合しているものを、要素や部分に分けること。また、分かれること。「時計を分解する」「空中分解」「分解掃除」
数学で、考察の対象をより簡単な対象に分けること。「因数に分解する」
化合物が、化学変化により、2種以上の単体や基礎的な化合物に分かれること。「水を酸素と水素に分解する」「電気分解」
力・速度などのベクトルで表される量を、その成分に分けること。
とこんな感じです。
フラワーデザインでは①の「一つに結合しているものを、要素や部分に分けること。また、分かれること。」が当てはまると思います。
グリーン(葉もの)を一枚一枚に分けたり、極端に分解すると花びら一枚一枚に分けたりすることになります。しかし、扱うものが植物なのですぐに枯れてしまうまで分解してしまうと、花材が使えなくなったりしてしまいます。
その際にはドライフラワーにしても大丈夫な花材を使ったりとしないといけなくなります。
構築とは?
構築の意味は
構築
組み立てて築くこと。「城を構築する」「理論を構築する」
という感じですね。
「組み立てて築くこと。」とそのまんまですが、フラワーデザインではフラワーアレンジメントやブーケを作ることになります。
再構築とは?
フラワーデザインにおいての再構築とは分解した花材をフラワーアレンジメントやブーケにすることになります。
そして、付け加えて花材を加工して変化させたりします。
例えば、1つ例えるならドラセナの葉を丸めたりすることが変化させるということになります。
分解と再構築のもう1つの考え方
本来の分解と再構築に関しては、先ほどご紹介した感じが一般的ですが、もう1つの考え方に関しては私自身が作品を作る際によく使う考え方になります。
作品の花材選びにも役に立ちますし、適当にある花材をうまく合わせこともできるようになります。
花が本来持っているものは変えられない
花や植物が持っている目に見える姿は変えられないです。花色、花姿、香りなどなど、そこにある花材をすぐに変えることはできないです。
植物は何年もその姿のままで、そして今後もあまり変化することはないでしょう。
フラワーデザインでバラはバラです。料理でいうならナスという野菜はナスです。
なにを言っていいるの?と思うかもしれませんが、変えられないものを変えようと考えなくていいということなんですが、どう使うか?が重要になります。料理だと調理方法ということに近いと思います。
花のイメージを分解してみる
ここでいう分解は、本来の分解と再構築の意味とは違って、花のイメージを分解してみるということになります。
これだけだと分かりづらいと思うので、わかりやすい花で写真の向日葵(ひまわり)で例えてみます。
元気
黄色
明るい
暑い
晴れ
陽の光
平べったい花
大きい
田舎の
太陽
向日葵畑
華やか などなど
イメージを組み合わせる
花のイメージが分解できたら、今度は組み合わせてみましょう。
ここでいう組み合わせとは花材の組み合わせなんですが、分解したイメージの組み合わせでもあります。
先ほど例にした向日葵(ひまわり)だと、分解したイメージ全てに合う花材を選ぶのでなく、向日葵(ひまわり)のイメージの中から1つ選んでみてください。
まずは向日葵(イメージ)を決めてみます。分解したイメージの中からフラワーデザインのテーマにしたいイメージを選んでみます。
今回は「田舎の」でいってみたいと思います。
これだけだと、まだイメージが弱いのでプラスして「陽の光」とを加えて、向日葵(ひまわり)のイメージを「田舎の陽の光」というイメージで向日葵(ひまわり)を使っていきます。そして、注意するところは、向日葵(ひまわり)というと夏というイメージが一般的なので、これも「夏」というイメージも勝手にくっついてきてしまいます。
あとは「田舎の陽の光」というイメージがある花材を選んでいけばいいということです。
例えばスモークグラス、ニゲラ、マトリカリアなど、なんていう花材が合うと思います。
分解と再構築のもう1つの考え方は花のイメージを分解して、イメージ同士を再構築することになります。
このイメージというのは人によって感じ方が違います。その違いが個性だったり、その人のスタイルやオリジナルティになります。
しかし、イメージの分解ができていないと一般的な、有り触れた、個性のない作品になってしまいます。
さいごに
分解と再構築の2つの意味ということでした。
テクニック的な部分がよく言われることが多いですが、分解と再構築の考え方はそれだけではもったいないです。しっかりと理解すればあなたのフラワーデザインがより魅力的なものになると思います。
花の組み合わせがたくさんあるように、イメージの組み合わせもたくさんあります。
自分自身のフラワーデザインをしたい場合はイメージの組み合わせが重要です。